恋愛不安の人の方がモテる「防衛的悲観主義」と恋愛心理学

心理学ノレム＆キャンターの防衛的悲観主義

不安が強い人の方が恋愛でモテるというのは本当か？

ガツガツもオラオラもしておらず、イケイケでもなく、むしろ、控えめで常に不安を抱いているような男性が、気づけば、女性から好意を獲得している。

これは超モテ男術のメンバー自身にも言えることです。実際に、我々は女性へ話を投げかけていることの方が多いですし、もちろん、魅力の刷り込みの過程は踏みますが、口説くといった分かりやすいものでもありません。そして、初物、初めての環境があまり得意ではなかったりします。

恋愛に不安のある人ほどモテる、これはある種、理にかなっています。

心理学者のジュリー・ノレムとナンシー・カンターは、実際は成果を出しているのに、今度はうまくいかなくなるかもしれないと悲観的になるタイプを、防衛的悲観主義と定義しました。

防衛的悲観主義は、これから起こることを考えるときには徹底してネガティブに考え、不安を持ちやすく、最悪の事態をあらゆる角度から想像しては失敗するのかと恐れるが、結果的にはもっともうまいくいくタイプ

と、しています。恋愛というのは、その人ならではの価値観にフォーカスし、最適解をコミュニケーションやパフォーマンスで相手にもたらしていく必要があります。それだけに、ビジネスシーンよりも、防衛的悲観主義であることがメリットになります。

恋愛における防衛的悲観主義とモテるの奥深さ

不安は持っていても、不安を相手に悟られない

防衛的悲観主義というのは、成功しやすい概念ではありますが、その概念を表に思いっきり出して「相手に悟られる」と、恋愛では舐められることがあります。つまり、不安の出し方っていうのが、モテにかなり関わってきます。逆に、その不安を隠せるものなら隠した方がいいです。

相手に不安を伝えることは、相手が自分に本音を語る自己開示効果を高めます。なので、よりベストなのは、「不安を相手に伝えながら、舐められずに、かつ、自分の評価すら上げてしまうこと」です。

「うわぁー、俺初めての場所苦手でさ、やっぱめっちゃ調べてきて良かったわ！ほら、見て、こんなメモ取って、俺って割と健気でしょ？(笑)ってことで、今日は楽しんでもらえるか分からんけど、まずは●●ちゃんが好きって言ってたエスニック料理の店で、●●ちゃん行ったことない店見つけたら、そこに行こう！」

要は自分に不安を持っていても、相手と絡む時は、その不安は不安以外のものと絡めて、多面的で心地よいコミュニケーションにうまく調理すると、恋愛不安というのは、良い方向に転がりやすいんです。

恋愛不安の人は、モニタリング能力が非常に高い

だから、その人独自のツボを押して、特別視されることができる

他の人よりも分かってくれる、他の人よりも見てくれている、こうした「他人とは明確に違う」と相手が腑に落ちることが「特別視」という現象を生んでいきます。さらに、性的魅力を積み重ねて伝えることができれば、「異性として特別視」することへ発展し、それは恋愛関係に発展するということを意味します。

こうした特別視への階段を上りやすいのは、防衛的悲観主義者のような恋愛不安の方なのです。

楽観主義者は、ノリや価値観がたまたま合った際は、ばっちりハマったように見えます。また、楽観主義者で明るい人は、初期のコミュニケーションにおける「打ち解け」の時間が早いので、モテてるように見えることもあるでしょう。

でも、実際にモテるかどうかは、きちんと異性として好かれた、クロージングとしての告白が成功した、こういったことなのです。恋愛不安の人は、自分自身を俯瞰する能力も、相手のことを考える力も、状況や空間を見抜く力も、総じてモニタリング能力が高く、多数の予測を因数分解して、最適解を出すことができるタイプです。