趣味の話は、初対面で使いやすい話題です。
映画。
旅行。
料理。
スポーツ。
音楽。
ゲーム。
カフェ。
でも、趣味トークには落とし穴があります。
趣味の情報交換だけで終わりやすい。
「何見る?」
「邦画」
「俺も」
「誰好き?」
「○○」
「へえ」
これでは、相手のプロフィールは増えますが、関係の深さはあまり変わりません。
『好かれてしまうトークの極意』では、趣味などの表面的な会話をアイドリングとして扱い、そこから自己開示へ進むことを重視しています。
趣味には「なぜ好きか」がある
旅行が好き。その理由が、新しい文化を見ること。美味しいものを食べること。仕事を忘れること。友達と濃い時間を過ごすこと。写真を残すこと。全部違います。つまり、
趣味そのものより、趣味で何を満たしているか
を見る。ここに価値観があります。
谷式・価値観変換
事実→仮定→価値観
使いやすい型があります。
事実
→ もしも
→ 価値観
です。たとえば、
「旅行好きなんや」
ここから、
「もし一週間完全に休み取れたら、予定パンパンにする?それとも何もしない日も欲しい?」
と仮定へ進む。回答から、
活動性。
自由。
計画性。
休息。
刺激。
などが見えます。趣味から価値観へ移るのに、もしも質問は非常に使いやすい。
趣味が合わなくても問題ない
「趣味が合わないから話が続かない」
と思う必要はありません。自分がキャンプをしなくても、
「何がそんなにいいん?」
と本気で聞けばいい。相手が熱く語れば、その人が何に喜ぶかが分かります。重要なのは、同じ趣味を持つことではなく、
相手の世界へ興味を持つこと。
自分からも熱量を出す
相手だけに話させるのではなく、自分の好きなものも話します。
『好かれてしまうトークの極意』では、
自分が熱く語る
→相手事化する
→相手の興味を聞く
という型が紹介されています。たとえば、
「最近ランニング好きでさ。仕事で頭疲れた後に走ると一回リセットされるんよね。○○ちゃんって、頭疲れた時のリセット方法ある?」
これなら、自分の趣味から、相手のストレス解消・生活習慣へ移れます。
趣味の話で見たいもの
趣味から、次のようなものを探してください。
- 何にお金を使うか
- 一人で楽しむか、人と楽しむか
- 刺激派か安定派か
- 計画派か即興派か
- 競争が好きか
- 上達が好きか
- 癒やしが欲しいか
- 表現したいか
- 人と共有したいか
趣味は、その人の縮図です。
趣味トークが長すぎる時のサイン
趣味の話が盛り上がると、そのまま30分、1時間と話せます。それ自体は悪くありません。でも、作品名。道具。店。選手。専門知識。だけが続いているなら、情報交換で止まっている可能性があります。
そこで一度、
「そこまで好きになった理由って何?」
「それやってる時、何が一番気持ちいい?」
と感情へ戻します。
「好き」だけでなく「嫌い」も価値観
趣味の中で、好きなものだけでなく、
「こういうのは苦手」
も聞いてみる。旅行なら、大人数は嫌。計画詰めすぎるのは嫌。観光地だけ回るのは嫌。こうした嫌悪から、その人が大切にしていることが見えます。03-06の願望・嫌悪へ自然につながります。
趣味から未来へ飛ばす
趣味は、過去や現在だけでなく未来にも使えます。
「もっと時間あったら何したい?」
「いつかやってみたいことある?」
「お金気にしなくていいなら、どこまでやる?」
ここで理想・妄想へ入ります。
自分の趣味を相手へ押し付けない
熱く語ることと、
「絶対やった方がいい」
は別です。相手が興味ないと言ったら、
「そうなんや(笑)」
でいい。趣味トークの目的は、自分の趣味を好きにさせることではなく、
互いの感情や価値観を知ることです。
よくある失敗と修正
1. 趣味の固有名詞だけで盛り上がる
作品や店の情報から、なぜ好きか・何を感じたいかへ進みます。
2. 趣味が合わないと会話を諦める
知らないからこそ相手の世界を聞けます。共通趣味は必須ではありません。
3. 自分の趣味を勧めすぎる
興味がないという本音も価値ある情報です。無理に好きにさせません。
同じ趣味でなくても、共通点は作れる
相手が登山、自分が料理を好きだったとしても、共通点がないとは限りません。「登山のどんな時間が好き?」と聞いて、「少しずつ準備して、登れた時がうれしい」と返ってきたら、計画や達成に楽しさを感じている可能性があります。
そこで「自分は料理だけど、準備して思った通りに作れた時が好き。その感じに近い?」と、自分の経験を添えて確かめます。相手が「達成感より、景色かな」と訂正したら、その違いを受け取ります。共通点があるという結論を先に決めないことが大切です。
会話がつながったら、次の行動にも使えます。いきなり相手の趣味に合わせるより、「少し準備して何か作るのも好き?」と関心を確かめる。価値観を知る意味は、同じ趣味を演じることではなく、二人とも楽しめる接点を探せることにあります。
実践例|同じ趣味なのに話が合わない時
二人とも映画が好きでも、一人は映像の美しさ、もう一人は人間関係の物語を楽しんでいるかもしれません。「その作品、どの場面が残った?」と聞くと、好きという言葉の中身が見えてきます。自分の好きな点と違っても、相手の見方を間違いとして直す必要はありません。
「自分は映像に目が行ったけど、そこを見ていたんだね。その人物のどんなところがよかった?」と聞けば、同じ作品を別の視点から知る会話になります。自分の感想も伝えられるので、共通点を無理に作らなくても、違い自体が交流になります。
ここから価値観へ進む時も、一度の感想だけで人物像を決めないこと。「支え合う関係が好きなのかな」と感じたら、その映画の範囲で確かめます。娯楽として好きな物語と、自分の生活で望む関係は同じとは限りません。作品の好みを、そのまま恋愛の希望に置き換えないようにしましょう。
実践ワーク
まず一つ試すなら:相手の趣味について、行動・楽しさ・自分との接点の三段階で考える。
相手が次の趣味を言った時、価値観へ変換する質問を3つずつ作ってください。
- 旅行
- 映画
- カフェ
- スポーツ
- ゲーム
「いつから?」
「何が好き?」
「もしも○○なら?」
を使って構いません。
完了の目安
共通点の仮説を本人に確かめ、違う答えも受け取れる。