この記事で学べること
- 趣味の名前と楽しみ方の一致を分ける
- 違う感想や苦手を言えるか確かめる
- 互いに話す余地がある関係を考える
好きな映画も休日の過ごし方も似ているのに、会った後はなぜか疲れる。趣味が合うことは話す入口になるが、それだけで一緒にいて楽な関係になるとは限らない。違う感想を言えないなら、共通の趣味がかえって試験のようになることもある。
相性を見るときは、好きなものが同じかに加えて、楽しみ方の違いを出せるかを確かめたい。ここでは趣味の会話から、二人の関わり方を知る方法を考える。会話例は説明用で、特定の相談者の記録ではない。
一致しているのは、活動名か、楽しみ方か
「旅行好き」という共通点にも、予定を埋めて回りたい人と、知らない街で何もせず過ごしたい人がいる。趣味の名前が同じでも、一緒に過ごす時間の希望は違う。逆に、旅行と読書のように活動が違っても、日常から離れて一人で考える時間を大事にしている点は似ているかもしれない。
『好かれてしまうトークの極意』の3WAYトラップは、趣味の内容そのものだけでなく、そこにある感情や、相手の関心を扱う。この考えを相性の確認に使うなら、同じ趣味を探し続けるより、本人が何に満足するかを聞く方が役に立つ。
男性「自分は旅行先で予定を一つ減らして、ゆっくり朝ごはんを食べるのが好きなんだ。旅行で一番楽しみなのは何?」
女性「私は有名な場所を全部見たい。せっかく行くなら」
男性「見逃したくないんだね。途中で別行動する時間があるのはどう?」
最後の問いに正解はない。別行動が心地よい人も、一緒に回ることを大事にする人もいる。合わせられない答えが出ても、それは会話の失敗ではなく、必要な違いが見えたということだ。
「好きではない」を言えるかを観察する
趣味の話に合わせ続けると、その場は平和でも、自分の輪郭が消える。知らない作品を知っているふりをしたり、苦手な活動に毎回参加したりすると、相手も「二人とも好き」と誤解したままになる。
男性「その作品の映像は好きだったけど、結末は少し苦手だった。あなたはどこがよかった?」
女性「私はあの結末だから好きなんだよね」
男性「そうなんだ。自分は置いていかれた感じがしたけど、どんなふうに受け取ったの?」
違う感想に対して、理由を知ろうとするか、好み自体を馬鹿にするか。その違いは、趣味の一致とは別の観察点になる。もちろん、一度言葉が強くなっただけで人格を決めつけない。「その言い方だと話しにくい」と伝えた後の対応も見よう。
相手の話を聞く余地が、双方にあるか
『トリガートーク』には、本音を話せる心地よさと、親友のように好意を返し合えることが別の視点として出てくる。相性に応用するなら、相手が気持ちよく話せるだけでなく、自分の考えも受け取ってもらえるかを考えたい。
いつも聞き役だから疲れているのか、知識量を競うために疲れているのか、違う意見を言えないために疲れているのか。同じ「楽しくなかった」でも、次に伝える内容が変わる。
- 話す量が偏るなら、「自分の話も少し聞いてもらっていい?」と出してみる。
- 知識の差がつらいなら、「詳しくないけど、面白かった部分を聞きたい」と伝える。
- 好みの違いを否定されるなら、何が話しにくかったかを具体的に伝える。
相手に直してもらう前提だけでなく、自分も同じことをしていないか振り返ろう。相手が興味を示さない話を、理解するまで説明し続けるのも負担になり得る。
共通点が少なくても、試せることはある
趣味が違うなら、お互いの好きなことを全部共有する必要はない。一緒に食事をする、散歩をするなど、二人が無理なく楽しめる小さな時間を探す。相手の趣味を尊重することと、自分も同じ趣味を持つことは別だ。
一緒に過ごした後は、「何個の趣味が一致したか」より、「苦手と言っても関係が険しくならなかったか」「自分の感想を話せたか」「相手の違う楽しみ方にも興味が持てたか」を振り返る。趣味の一致は入口。そこでどんな自分でいられるかまで見て、次に会いたいかを考えよう。
