この記事で学べること
- 好みの違いと尊重されない関係を区別する
- 相手が大切にする理由から別案を探す
- 相談後の行動と双方の負担を見る
会話の好みや食事の趣味が合うと、相性のよい相手に思える。けれど、関係を続ける中では、予定、お金の使い方、一人で過ごす時間など、違う希望も出てくる。そこで一度も揉めないことを目標にすると、自分の希望を隠すしかなくなる。
相性を考える材料になるのは、違いがないことだけでなく、違いを伝えた後に二人でどう扱えるかだ。わざと意見をぶつけて試す必要はない。自然に起きた小さな違いから、やり取りを見ていこう。会話例は説明用に構成している。
好みの違いと、希望を言えない関係を区別する
「休日は朝から出掛けたい」「午前中はゆっくりしたい」という違い自体は、どちらかの欠点ではない。交互にする、午後から会う、別々の時間を持つなど、相談の余地がある。
一方、「それくらい普通合わせるでしょ」と希望そのものを小さく扱われると、相談の前提がなくなる。逆に自分も、「面倒な女性だ」と片付けていないかを確かめたい。合わない意見を持つことと、相手を尊重しないことは分けて考える。
反対する前に、相手が大事にしているものを聞く
『好かれてしまうトークの極意』のマイケース・トゥ・ユアケース法を使うなら、自分がどうしたいかを示し、相手のケースへ渡せる。「どうして合わせてくれないの?」より、違いの理由を知る会話にしやすい。
男性「自分は日曜の午前中に休めると、翌週が楽なんだ。だから午後から会いたい。朝から出掛けたいのは、行きたい場所が混むから?」
女性「それもあるけど、短い時間だと一緒に過ごした感じがしなくて」
男性「早起き自体より、ゆっくり一緒にいたいんだね。土曜の午後からなら時間を取れるけど、どうかな」
相手が大切にしていたのは出発時刻ではなく、一緒に過ごす時間だった。このように、最初の希望の奥にある理由が分かると、別の選択肢が出ることがある。ただし、理由を聞けば必ず折り合えるわけではない。仕事や生活条件で難しい場合もある。
「分かった」と言った後の行動まで見る
その場で穏やかに返事をしてくれることと、実際に相談した内容を守れることは別だ。一度できなかっただけで断定せず、何が難しかったかを確認する。それでも毎回片方の希望だけが消えるなら、話し合いの形を見直したい。
- 相手の説明を途中で決めつけずに聞けるか。
- 「違うよ」と訂正されたときに、理解を修正できるか。
- 決めたことが難しくなったら、黙って破る前に相談できるか。
- 譲る役割が、いつも同じ人になっていないか。
これは相手を点数化する診断表ではない。自分も含めて、どこで相談が止まるかを知るための観点だ。『トリガートーク』の親友という魅力を、互いに好意を返す関わりとして読むと、「嫌われないために何でも飲み込む」こととの違いが見えてくる。
違いを受け入れるにも、限界はあってよい
すべての希望を折半すればよいわけではない。結婚を望むか、どこで暮らすかなど、二人の希望が両立しないこともある。相手の考えを理解したうえで、交際相手としては合わないと判断することは矛盾しない。
「あなたがその働き方を続けたい理由は分かった。自分は同じ地域で暮らせる関係を希望しているから、どちらかが無理をする前提では進めたくない。今の条件で両立する方法があるか、一度具体的に話したい」
人格への評価と、自分の生活上の希望を切り分ける言い方だ。「私を好きなら変えられるはず」という試し方にすると、合わない条件が愛情の証明問題に変わってしまう。
怖くて希望を言えない、断ると脅されるような関係は、単なる好みの不一致として扱わなくてよい。無理に話し合いを成立させるより、距離を取る判断が先になる。穏やかな違いの調整と、安心して話せない状況は別である。
次に小さな違いが出たら、合わせるか別れるかを急ぐ前に、自分の希望と相手の理由を一つずつ出してみよう。その後に相談が進むかどうかが、共通点の数だけでは見えない相性を教えてくれる。
